- 金魚の体から白い糸が出てる・・・
- 痒そうに体を擦り付けているように見える
- 体の表面に白い盛り上がりや充血がある
なんだこの白い糸は!?痒そうに見えるしどうしたんだろう??と心配になってしまいますよね。
上記のような症状が見受けられる場合、『イカリムシ病』という病気の可能性があります。
金魚の体から見える白い糸のようなものがズバリ、イカリムシという甲殻類に属する寄生虫です。
寄生するのはメスの成体(体調は1cm程)で、その体の一部が碇に似ていることから『イカリムシ』と呼ばれています。
画像引用Wikipedia『イカリムシ』
今回は、『イカリムシ病』になってしまう原因と対処法・予防策をご紹介しますね。
金魚の体から白い糸が見える病気『イカリムシ病』の原因
考えられる原因はこれ。
新しく導入した水草や金魚に寄生していたことです。
トリートメントについては後日記事にしますね!
大きな肉食魚を飼っている場合は、エサの小赤が持ち込む場合もあるそうです!
小赤(和金)
和金の金魚で、主に金魚すくいなどに使われる、小さめのものをさす俗称。
引用コトバンク
金魚の『イカリムシ病』の特徴・症状
初期症状
イカリムシに寄生されてすぐは、虫体も小さく確認が難しいですが以下の症状が見られることがあります。
- 寄生された部位が白点状に盛り上がる
- 痒がるように体を振り動かす
- 体を擦り付ける
- 白い糸のような虫体が確認できる
症状が進むと
初期の段階で気付くことが出来ずに対応が遅れると、増殖したイカリムシが金魚の体表の至る所に頭部を突き刺し寄生することになります。
大量に寄生されることで、寄生された部位の粘膜の異常な分泌(体が濁って見える)や充血が見られます。
元気や食欲が無く、動かなくなり、寄生された部分の傷から穴あき病や松かさ病などの他の重大な病気に二次感染し衰弱して死んでしまうこともあります。
金魚が『イカリムシ病』になってしまったらこう対処しよう
まずしないといけない事は金魚から寄生したイカリムシを取り除くことです。
この順番で対処しましょう。
- ピンセットでイカリムシを直接取り除く
- 全ての金魚を薬浴させる(蔓延していた場合)
- 水槽の完全リセットを行う(蔓延していた場合)
1.ピンセットでイカリムシを直接取り除く
成体は必ず金魚から取り除く必要があります。
用意するもの・こと
- 清潔なタオルに飼育水を染み込ませたもの
- 先端が平らなピンセット
- 手を冷やしておく(金魚が火傷しないようにするため)
※水中で行わない場合
飼育水を染み込ませたタオルの上に冷やした手で金魚を移動させ、金魚についたイカリムシを根元からしっかり引き抜きます。
注意点があるので要確認!
- ちぎれて一部でも残ると再生する(イカリムシが小さいとちぎれやすい)ため、しっかりと根元から引き抜くこと。
- 卵を撒き散らす前に取り除く。(卵のうが見えるようになる前に※引用画像参照)
卵のうを抱えたイカリムシ
左側の黄色っぽく二つに分かれた部分が卵のうです。
画像引用☆おりひめのブログ☆
イカリムシを取り除く様子を撮影した動画もあったのでご紹介しておきます。
※ナチュロボ!様『金魚についた寄生虫、イカリムシ!発見時の対応とその取り方』より
蔓延していなく、寄生していたのがその1匹だけだった場合はこれで終了です。
ただし、体に傷がついた状態なので傷口の消毒、2週間ほどの塩浴を行いましょう!
2.全ての金魚を薬浴させる(蔓延していた場合)
既に卵が孵化して水槽に蔓延してしまった場合、他の金魚にも寄生している可能性が高いので、その水槽で飼育している全ての金魚に対して薬浴を行います。
飼育していた水槽から別容器に移して薬浴をしましょう。
薬浴は卵から孵化して金魚に寄生するまでの間の『幼生』にしか効果がありません。
薬浴中の水替えは全量が原則です。(浮遊している卵や幼生の絶対数を減らす為)
3.水槽の完全リセットを行う(蔓延していた場合)
飼育していた水槽に使っていたろ材や砂利、水草などは一度捨てて新しいものを用意するのがベストです。
なぜなら卵や幼生がくっついている場合があるから。
水槽もしっかりと消毒し、天日干しなど、徹底的に駆除してしまいましょう。
そして1から新しく飼育水を立ち上げます。
※水槽の立ち上げについてはまた後日記事にしますね!
イカリムシの生態
寄生したイカリムシは成体になると交尾をし、産卵を始めます。
一度の産卵で5000個ほどの卵を産み、成体へと成長、交尾、産卵を繰り返すので放置していると星の数ほどイカリムシが増えていきます。
詳しい生態が気になる人はコチラを見てみてください。
→月刊錦鯉97年4月号 連載・魚病ノートNo.12 『イカリムシ症』
金魚が『イカリムシ病』にならないように予防するには
外からやってくるイカリムシ。
予防のためには、新しく飼う金魚や水草をしっかりと時間をかけてトリートメントすることです。
まとめ
どうでしたか?
今回は、『イカリムシ病』の原因と対処法・予防策をご紹介しました。
『イカリムシ病』の原因
新しく導入した水草や金魚に寄生していたこと。
つまり、外部からの持ち込みですね!
- ピンセットでイカリムシを直接取り除く
- 全ての金魚を薬浴させる(蔓延していた場合)
- 水槽の完全リセットを行う(蔓延していた場合)
『イカリムシ病』の予防方法
新しく飼う金魚や水草をしっかりと時間をかけてトリートメントすること
大切なのは、早期に発見して大量発生する前に駆除してあげること!!
薬液に加えて、こんな感じで先端が平らになってるピンセットも用意しよう!